英語上級者として認められ始めるTOEIC850点。
このTOEIC850点が社内昇進や海外赴任の基準点数となることもしばしば。
今回は筆者が850点を越えるまでに苦労した軌跡を振り返りつつ、850点を越えるためのポイントをこれでもかと分かりやすく説明します。
※TOEIC850を越えたくて越えられない人は目次の③から読んでも構いませんが、意外と本質的なことは①から書いてあるので、ぜひ寿命に余裕がある方は読んでみてください。
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この記事をオススメしたい人
- TOEIC850点を越えたい人
- TOEIC850点を越えそうで越えない人
- TOEIC500点台からTOEIC850を越えるまでの方法を知りたい人
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①TOEIC200点アップの鬼の2か月間(545点→745点まで)
初めてTOEICを受けたのが受験が終わって大学1年生になるまでの間。
当時受験が終わって見事に第一志望に落ちた僕は、「このままだと学歴で負けてしまう」と次のステップである就職活動を見据えてTOEICの勉強を始めていました。
始めて受けたTOEICのスコアは545点。TOEIC850点なんて夢の夢です。
TOEICが990点ということを知っていたので、990点中半分という英語の点数の低さをまざまざと見せつけられた筆者。
世の中の平均から比べるとそこまで悪くないスコアだったのですが、反骨精神の塊だった18歳の私は「半分の点数なんて許せない。さっさと点数を上げなければ世間様に顔向けできない」と訳の分からない焦燥感に襲われ、TOEICの猛勉強を開始します。
実は大学入学と同時に、今でしょ!でお馴染みの東進ハイスクールの大学生版である東進ビジネススクールというところへエスカレーター式に入塾していました。
そこではビジネススクールとは仮の姿で、シンプルに要約すると「TOEICの点数を高めたい人のTOEICの点数を高めたい人によるTOEICの塾」でした。
しかし、渡された教材や映像授業は見ても読んでも、立てど暮らせどそこまで役に立ちませんでした。(一部は今でも役に立っているんだけど。)
ただ、そこのスクールの利点は2か月に1回、年に6回TOEICのIPテストを強制的に受験させられるというシステム。
かなり短期スパンでTOEICを受けられたので、自分の努力を振り返るにはとてもいいシステムでした。
その2か月間、一体全体僕は何をして200点アップを果たしたのでしょうか?
・当時の僕のTOEIC勉強法
1.単語・熟語
いわゆる読解に必要な頻出単語に関してはほとんど受験勉強でまかなえていたので、ひたすらにビジネス単語やTOEIC頻出の単語を勉強していました。
その時の参考書はこちら。アルク社のTOEIC990点ですね。
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545点の僕がTOEIC800の単語帳をすっ飛ばして、どれだけ背伸びをしてギラギラしていたかがよく分かります。
TOEICの単語帳や参考書はデザインが自分に合っているか、使いやすさが自分に合っているかだけで選ぶべきだと思います。正直中身はそこまで大きくは変わらない気がします。
使い方としては、見て分かるフェーズ、暗記フェーズに分けて覚えました。
要はTOEICにおいては「書けなくて話せなくてもいいけど読めればいい」ので、単語帳での勉強でも単語を見た瞬間に即座に意味が分からなければ×をつけるという方式でやっていました。
覚えていなかった単語を暗記フェーズにしっかり暗記します。
TOEICに限らず、学習全般に関しては音読で筆者は暗記をするのですが、その詳しい音読学習方法については以前に書いたこちらの記事を読んでもらえればと。
もし音読を取り入れていなければ、騙されたと思ってやってみてください。
(ちなみにこの方法で大学のテストでも成績優良賞も取りました笑)
2.文法(PART5)
これはもうこの参考書を何周もして完成させましたね。
もともと得意ではありましたが、完璧ではなかったのでかなり固い文法力を要請することができました。
これも単語と同じでで出来なかった問題には×印をつけて、そこだけ何度も反復練習することで苦手範囲を潰していきます。
そもそもの文法の原理が分からなければ、高校の時に使用していたフォレストなどの英文法書に立ち返って復習していました。
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3.長文読解(PART6〜7)
読解自体は苦手でなく、単純にTOEIC全体で解いた時の時間感覚のバランスからくる凡ミスを無くすことが課題でした。
TOEICのリーディングでは大量の問題を短時間で処理するので、分かりにくい部分は後回しにしたり、最悪の場合は勘で答えることもあります。
なので、練習の時は必ず答えの根拠の部分に線を引いて回答をするようにし、正答と自分の解答が違っていた場合は自分で線を引いた根拠部分と解説を見比べて復習するようにしていました。
※TOEICリーディングの詳しい速読テクニックはこちらから
投稿が見つかりません。4.リスニング(PART1〜4)
実は筆者のTOEICにおける超苦手分野がこのリスニングパート。
ただでさえ日本語で聞き取るのも聞き間違えが多発するくらい苦手なくらい耳が悪いのですが、コツを掴んで最低限の点数は取る戦略でいました。
PART1なら、写真の先読み。
PART2は設問の出だし部分がWhat/When/Where/Who/Why/Howのどれかなのかを聞き間違えないように集中することでなんとかしていました。
PART3・4は選択肢と設問の先読みをして、どんな内容の話が来るのかを先に予想していました。
このテクニックと並行して、日々のトレーニングではシャドーイングとリピーティング、ディクテーションをやりまくっていました。
シャドーイングはTOEICの音源やビジネススクールで配布されていた音源、当時のCNN Student News(今はCNN10というメディアになっている)を流しながら、その音源の後を追って発音するもの。
リピーティングは音源が一文読み終わったらその後にそのまま発音・イントネーションを完全コピーして発音するもの。
ディクテーションは、音源を聞こえたまま白紙に書き出すというもの。
もうこれを1日1時間近く、忙しい時でも最低15分はやっていました。
「話せない言葉は聞き取れない」という言葉があるくらいなので、点数が出なくてもなんとか耳を英語に慣れさせます。
他にはバンドをやっていたので、好きなバンドの英語の曲を聴いたりとかしていましたね。
※詳しい勉強方法はこちらの記事から。
これらをひたすら2か月間行った結果、TOEICのスコアはこのように上がりました。
TOEICの問題形式に慣れたこともありますが、日頃の成果が一気に出ましたね。
この時点ではまだまだTOEIC850点は狙っていませんでしたが射程距離に入ってきました。
545点:リーディング310点 リスニング235点
↓
745点:リーディング420点 リスニング325点
②1年の暗黒停滞期(800点の壁)
せっかく850点超順調に見えたTOEICのスコアが、実はこれからほとんど上がらなくなってしまいます。スランプに入るにしては早い気もしますが、本当にうんともすんとも上がらない。
大学1年生の筆者もやはりまだ子ども、点数が上がらないことからモチベーションも下がってしまいます。アルバイトや車の免許の取得に熱が入って、少しおざなりにしがち。
大学の中ではハッキリ言ってダントツでTOEICも出来ていたので、「周りよりずっとできていることだし、少しくらいTOEICの勉強はいいかな」と気が緩んでいました。
自分でお金を払っていることだしと、ビジネススクールの映像授業は夏や秋も見ていましたが、日々の英語のトレーニングがどんどん薄れていく。
そりゃあやらなければ上がりません(1度点数のブレイクスルーを経験すると点数の低下は意外と見られないものでした)。
この状況を打破したのが、アルバイトの先輩の影響。
先輩もTOEICの勉強を始めたのですが、意外と頭が良くないのでは…と思われていた先輩が自分と同じくらいのスコアを取っていることを知り、「負けたらとてつもなく恥ずかしい!」と焦りを覚えて、そこから徐々に元のように勉強をするようになっていきました。
人のことを馬鹿にしていた自分も恥ずかしいのですが、それ以上に「この人に負けたら恥ずかしい」という気持ちが大きなモチベーションになることを初めて知り、以降は人と比べながら意識を高く持つことを覚えました。
当時のTOEICの勉強は①の頃と大きく変わらないのですが、単語力の増強と答えの根拠づけをより丁寧に行っていました。
単語力に関しては、PART6・7の英文読解をしていく中で分からなかった単語をまとめて自分だけの単語帳を作っていたのが、新しい勉強方法でしたね。
TOEICの単語をほぼ網羅しているつもりでも意外と出来ていないものにも気付けたりして、大変有効な勉強法となりました。
結果として、春先にはTOEIC800点の壁は超えなかったものの、785点まで上げることができました。
③届きそうで届かない5点(850点の壁)
さて、時はあっという間に流れ筆者は大学3年生になります。
この時期になると見えてくるものが”就職活動”。
就活になるとTOEICの点数が本気で見られるようになっていきます。
「TOEIC850点はないと周りとの差別化にはならないなぁ…」と思っていた筆者は、本腰をあげて追い込みをかけます。
春から夏にかけては、おざなりにしていたビジネススクールでも様々な企業セミナーが開催されていた関係で顔をまた出すようになり、その関係で友達も出来てきました。
その友達というのが、この時期の最大のモチベーションとなります。
ビジネススクールから、「同じ点数集団の人をグループにして週1回の登校(ここで総合的な全パートのTOEICトレーニングを行います)、日々のトレーニングの報告をチームで行う」と通達があり、仲良くなった友達の彼らと常に近況報告や問題演習を行うようになりました。
他の同年代で頑張っている人がいると負けたくないと思うもの。
また、周りとの比較を動機付けにしてTOEICの勉強にのめり込みます。
また、この時はチームに1人ずつビジネススクールから990点レベルのメンターのような人がつくようになります。
この人のおかげで、自分の弱い部分は文法の中でも「品詞」であることや、苦手なリスニングの分野のトレーニングの継続を褒めてもらうなど、常にモチベーションを高く勉強できていました。
新しい勉強法としてはTOEICの公式問題集を解くようになりました。
800点近くになっているとほぼ総合的に解けるので、TOEICをテスト全体の中でいかに効率良く解いていくか、長時間の試験の中でいつでもハイパフォーマンスを出すことが出来るかどうかが大切になっていきます。
やったものとしては、公式問題集を1冊、NHKのTOEIC雑誌に載っている模擬テスト数冊。
このように演習量を圧倒的に増やして受けた秋のTOEICは845点。
「800点はオーバーしたけどあと5点…」。
相当悔しい思いをしました。
12月に就活が解禁だったので、TOEIC850点をなんとかして冬のテストでは取りたい!と強く思った筆者は日々のトレーニングはもちろん、さらにアウトプットを徹底してやっていきます。
TOEIC800〜845点の辺りでスコアが伸びずに苦しんでいる人がいれば、まずは今一度自分の弱点を把握することと、演習量を増やしまくって復習を丁寧にやることをオススメします。
④2度目のブレイクスルー(850点オーバー)
1日2時間程度、2か月間みっちりと勉強をして、ついにやってきた12月のTOEICテスト。
「ここでTOEIC850点を越えられなかった本当にマズい」。
前日には今までミスをしてきた文法書の問題や、×印のついた単語のみを集めた単語帳を再度見直して、TOEICの模擬テストで感覚を忘れないようにし、自分の中で万全の状態で臨みました。
当日は、基本に忠実にしっかり解いていき見直しもしっかり行う。ハイな状態になっていたことが幸いしてか、このテストではリーディングパートが終わった時点で時間が15分余るほどのスピード感を持って解くことができたため、見直しに大分時間を割くことができました。
解答に自信のない問題数を数えて、「これならTOEIC800はまず絶対越えているだろう」と言える自信は持っていましたが、正直850点はどうかは自信がありませんでした。
そして、運命のテストの結果返却。
そこに書いてあった数字はTOEIC850点を目標にしていた自分の目では信じられないスコアが書いてありました。
「895点」
リーディング:455点
リスニング:440点
嬉しくて嬉しくて仲間やメンターにすぐに報告をします。長い努力の末に、TOEIC850点を大きく越えるブレイクスルーを果たしました。
今思うと、高校生の頃のセンター試験の英語も一気に120点から160点に伸びたことがあり、やはり語学はある程度まではすぐに伸びても、最後はすぐに伸びる訳ではないんだなぁと体感しました。
まとめ
TOEIC850点の壁を越えるまでの長いストーリーでしたが、いかがだったでしょうか?
850点は英語初心者からするとかなりハイレベルに見えますが、体感的には750点〜800点くらいまでは英語の基礎があればスッと上がるので、すぐに射程距離に入れることができます。
800点から850点に上げるまでは僕の場合は根気がかなり必要だったので、点数が上がらないからといってすぐに諦めずコツコツとTOEICに向き合ってみてください。
ちなみに余談ですが、就職活動ではやはりTOEIC850を越えていたため、かなり優遇されて面接等を進めていくことができました。
もし社会人になっても英語でやりたいことがあって点数がネックになっているのであれば、まずはこのTOEIC850点を取ってみるといいかと思います!