「海外で働いてみたいけど契約書とか複雑そうでなんか怖いなぁ…」
「英文で契約書を作ることになったんだけど、全然正直分からない…」
こんなことを感じたことはありませんか?実はこの英文での雇用契約書、使われている英単語的にもそんなに難しくないんです。
筆者が国際人事労務を行っていた経験から、英文雇用契約書の作成・読解ポイントをまとめてみました。王道かつスタンダードなものではありますが、これを押さえておけば99%問題ないだろうという記事にしてみましたので、ぜひお役立てください。
また、国際人事になりたての方でもすぐにそのまま使用できる英文雇用契約書フォーマットを用意したので、ぜひコピペして使用してみてください。
(※細かいルールや表記は実際に使用する会社規定に合わせて変更をお願いします。)
余談ですが、TOEICにも契約書の問題はリーディングパートにて出てきやすいので、TOEICの勉強にもなりますよ!
———————————————————————————————————-
この記事をオススメしたい人
- 外資系や海外で働きたい・転職したい人
- 国際人事労務に携わっているけれどあまりよく英文雇用契約書が分かっていない人
- TOEICで契約書系の問題が上手く解けない人
———————————————————————————————————-
①英文雇用契約書の特徴
英文雇用契約書の記載事項の多くは、日本分の雇用契約書にも書かれている内容で、「契約期間・職種・賃金規定・労働日時規定・福利厚生・懲戒規約」などの必須事項に加えて、欧米圏であるとJob Description(ジョブ・ディスクリプション)とも呼ばれる職務記述書も同時に作成されます。
Job Description(職務記述書)はざっくり言うと、「あなたは何月何日からこの会社でこういうお仕事しますよー、具体的にはこれとこれとこれ。OKだったら署名欄にサインをお願いします。」というもの。基本的に日本とは違い「契約社会」となるので、職務記述書に乗っていない仕事は極論私の仕事ではないので雑務も引き受けませんよということもあり得るのです。
以上の理由から、なるべく職務内容に関しては詳細に書くようにしつつも、あまり長い英語にならないように短文で簡潔に文章を書くように心がけしましょう。
②日付と頭書
契約書は、通常契約内容を挟んで、書類の初めと終わりに署名をする欄が用意されています。
④のフォーマットにおいては、始めに契約の委託者及び受託者の名前と発行日が記載されています。
③本文の各項目の詳細
契約書の本文は、以下の項目がよく使用されます。
1.STARTING DATE(契約開始日)
2.PLACE OF WORK(職場)
3.JOB TITLE/DESCRIPTION(職務記述)
4.TERMINATION OF EMPLOYMENT(契約期間)
5.WAGES(賃金規定)
6.HOURS OF EMPLOYMENT(就業時間規定)
7.ANNUAL LEAVE(年間休暇規定)
8.SICK LEAVE(病欠規定)
この他だと、問題発生時の規定や転職先の制限規定なども盛り込むことが欧米諸国の場合は多いですね。また、付録として多くの資料・データを用いる場合は「APPENDIX(補足・付録)」という項目を追加することもあります。
英文での雇用契約書を使い慣れていない人はまずはこれらの主な項目の理解を先に行うとミスがグッと減ります。
④英文雇用契約書のフォーマット
以下の枠内が英文雇用契約書のフォーマットとなります。
非常にシンプルなものなので、これを基調に項目の追加や削除をしてみてください。
Contract of Employment
This agreement is effective as of July/15/2017, between
AAA Corporation (hereinafter “the Employer”) and
Mary Lee (hereinafter “the Employee”) .
1.STARTING DATE
The contract will commence on the above date and continue until terminated as set out in clause 4.
2.PLACE OF WORK
The Employee agrees to work at the following address for the duration of this agreement.
ADDRESS:aaa Ave, 1-2-3
3.JOB TITLE/DESCRIPTION
Title:Sales
Descreption: The employee is in charge of sales for advertisements on the Internet.
4.TERMINATION OF EMPLOYMENT
Either the Employer or the Employee may terminate this agreement with four weeks’ written notice.
5.WAGES
5.1 The Employee shall be fully reimbursed for each two-week pay period on the final Friday in the pay period.
5.2 Taxes and other legally required deductions shall be deducted from the Employee’s salary according to government regulations and standard accounting practices before the salary is paid.
5.3 The Employer and Employee shall discuss the Employee’s salary once per year.
6.HOURS OF EMPLOYMENT
6.1 Normal working hours will be from 9:00 am to 6:00 pm Mondays to Fridays.
6.2 The Employer may demand maximum overtime work of 3 hours in one day and 15 hours in one two-week work period.
6.3 The Employee will be given two fifteen-minute breaks and one one-hour meal period each full working day, not to be taken within the same two-hour period.
7.ANNUAL LEAVE
The Employee is entitled to 10 days off for every 12 months of work at times convenient to the Employer. The amount of annual leave will be renegotiated yearly.
8.SICK LEAVE
The Employee is entitled to one sick day for every 25 days worked.
ANY CHANGES TO THIS AGREEMENT ARE VALID ONLY IF THEY ARE IN WRITING HAVE BEEN SIGNED BY BOTH PARTIES.
I, the undersigned, understand and agree with all clauses and sub-clauses contained herewith.
Employer
Tony Nedved
Employee
Mary Lee
⑤まとめ
一見難しく見えた英文雇用契約書、今となってはいかがでしょうか?押さえるべきポイントを押さえれば、たとえ英文でもそこまで怖いものではありません。
日本語の雇用契約書の細かい部分を英語にするのが難しい場合には、会社の契約している法律事務所や弁護士に英訳を依頼できないか聞いてみるのも一つの手です。
そして、社内で英語初心者が文書作成を担当するとスペルミスが多発するので、必ず英語がそれなりに出来る上司や部下とダブルチェックを行ってください。
また、やりがちなミスですが、実際の作成時は本人控えと会社控えを取る必要があるので必ず2部ずつ印刷して作成するのをお忘れなく!