結論から言うと、英語のビジネスの場で反論するときは I see your point, but ...(おっしゃることはわかりますが〜)のように、まず相手の意見を受け止めてから自分の考えを述べるのが基本です。英語の会議では反対意見を言うこと自体は失礼ではありませんが、言い方が直接的すぎると相手を否定しているように聞こえます。
組み立ては ①受け止める → ②自分の意見 → ③理由・データ → ④代案 の4ステップです。
定番の反論フレーズ
| 英語 | 日本語の目安 | 強さ |
|---|---|---|
| I see your point, but ... | おっしゃることはわかりますが〜 | 柔らかい |
| I understand where you're coming from, but ... | お考えの背景は理解できますが〜 | 柔らかい |
| That's a fair point. However, ... | もっともなご指摘です。ただ〜 | 柔らかい |
| I see it a little differently. | 私は少し違う見方をしています | 中間 |
| I'm not sure I agree. | 賛成しかねるかもしれません | 中間 |
| I'd like to push back on that a little. | その点には少し異論があります | はっきり |
| With all due respect, ... | お言葉ですが〜 | 改まった・強めの前置き |
例
- I see your point, but I think the timeline is too ambitious.(おっしゃることはわかりますが、このスケジュールは無理があると思います。)
- That's a fair point. However, our survey data suggests otherwise.(もっともなご指摘です。ただ、当社の調査データは違う結果を示しています。)
- I see it a little differently. In my experience, customers care more about support than price.(私は少し違う見方をしています。これまでの経験では、顧客は価格よりサポートを重視しています。)
push back は「異議を唱える・押し返す」という意味で、英語圏の職場では日常的に使われます。
質問の形で反論する
正面から反対するより、質問にすると相手が自分で問題に気づきやすく、議論も前向きになります。
例
- Have we considered how this affects the support team?(サポートチームへの影響は検討しましたか?)
- What would happen if the launch were delayed?(もしリリースが遅れたらどうなるでしょうか?)
- Could we look at this from the customer's perspective?(顧客の視点からも考えてみませんか?)
- Let me play devil's advocate for a moment.(あえて反対の立場から言わせてください。)
play devil's advocate は「あえて反対意見を述べる」という定番の前置きで、議論を深めたいときに使えます。
目上の人・取引先への反論
With all due respect は使いどころに注意
With all due respect は「お言葉ですが」にあたる改まった前置きで、反対意見の前に置かれる表現です(Wiktionary)。ただ、強い反論の前触れとして使われることが多く、言い方によっては対立的に聞こえます。日常の会議では、次のような言い方のほうが穏やかです。
例
- I appreciate your perspective. I do have a slightly different view, though.(ご意見ありがとうございます。ただ、私は少し違う考えを持っています。)
- I may be missing something, but I'm concerned about the cost.(私が見落としているのかもしれませんが、コスト面が気になっています。)
気分を害さないように前置きする
例
- I don't want to be negative, but there's a risk we should talk about.(否定的になりたいわけではないのですが、話しておくべきリスクがあります。)
- I hate to disagree, but I think we need more data before deciding.(反対するのは心苦しいのですが、決める前にもっとデータが必要だと思います。)
メールで反論する
メールでは表情や声のトーンが伝わらないため、会話よりもさらに柔らかく書きます。
例
- Thank you for the proposal. I have a few concerns about the timeline that I'd like to share.(ご提案ありがとうございます。スケジュールについて、いくつか懸念点を共有させてください。)
- I'd like to suggest an alternative approach.(別の進め方をご提案させてください。)
- Would you be open to discussing other options?(ほかの選択肢についてもご相談させていただけますか?)
会話例:会議で予算案に反論する
例
- A: I think we should spend most of the budget on online ads.(予算の大半をネット広告に使うべきだと思います。)
- B: I see your point, and online ads are easy to measure. However, our best leads last year came from events.(おっしゃることはわかりますし、ネット広告は効果測定がしやすいですよね。ただ、昨年いちばん質の高い見込み客はイベント経由でした。)
- B: Could we split the budget and compare the results after three months?(予算を分けて、3か月後に結果を比べてみませんか?)
- A: That sounds reasonable. Let's try that.(それは妥当ですね。そうしましょう。)
避けたい言い方
- "You're wrong." / "That's not true.":相手そのものを否定する響きです。I'm not sure that's the case.(そうとは限らないかもしれません)に言い換えます。
- "No, no, no.":話を遮って否定する印象を与えます。
- "I disagree." だけで終える:理由や代案がないと、ただ反対しているだけに聞こえます。
- "We'd better ...":had better は「そうしないと困ったことになる」という警告の響きがあります。提案には I think it would be better to ... や I'd suggest ... を使います。
- I don't mean to offend you, but ...:「気に障ったら申し訳ないが」という前置きですが、かえってこれから失礼なことを言うと身構えさせることがあります。多用は避けましょう。
ポイント:反論は「人」ではなく「案」に向けます。I see your point, but ... で受け止め、理由とデータを示し、代案で締めると、英語でも角を立てずに意見を通しやすくなります。
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