英文Job Descriptionの読み方:各項目の意味と応募前の判断基準
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英文のJob Description(JD)は、「その職種で何を任され、どんなスキルと経験が求められ、何をもって成果とみなすか」を書いた文書です。JDを読む目的は2つあります。ひとつは「応募するかどうか」の判断、もうひとつは「履歴書と面接で何を前面に出すか」を決めることです。この記事では、各項目の意味と応募判断の目安に加えて、読み取った内容を英文履歴書の箇条書きに落とし込む方法まで、例文つきで整理します。
JDとは何か
ジョブディスクリプションは、職種やポジションごとに業務内容・責任範囲・必要なスキルや経験・期待される成果を明文化した文書で、略称として「JD」が使われます(参考:Wantedly「ジョブディスクリプション(職務記述書)とは?」)。
日本語の求人票との違いは、企業や職種によって書き方が大きく異なるため、国や言語で一括りにはできません。この記事では比較論には踏み込まず、英文JDでは Responsibilities と Requirements から、求められる業務と経験を確認する、という実務的な読み方に絞って説明します。
英文JDの基本構成:5つのブロックと読むポイント
英文JDは、大きく「Job Summary / About the Role」「Responsibilities」「Requirements」「Nice to Have / Preferred Qualifications」「About Us / Culture」の5つのブロックで構成されていると説明されています(参考:英語ハック「英語転職の求人票・ジョブディスクリプションを完全解読する」)。見出しの名前や順番は企業によって異なりますが、まずは次の5区分に整理すると読みやすくなります。
| ブロック | よくある見出し | 読むポイント |
|---|---|---|
| ポジションの概要 | About the Role / Job Summary | 組織の中での位置づけ、何のために置かれるポジションか |
| 業務内容 | Responsibilities / What you will do | 入社後に実際にやる仕事。履歴書の実績と最も直接つなげる部分 |
| 必須要件 | Requirements / Qualifications / What you bring | 経験・スキル・資格。応募可否の判断材料 |
| 歓迎要件 | Nice to Have / Preferred / Bonus | 持っていれば有利な要素として書かれている項目 |
| 会社紹介 | About Us / Our Culture | 事業や価値観。志望動機や面接での受け答えの材料 |
最初の応募判断では、Responsibilities と Requirements を優先して読むのが効率的です。そのうえで、About Us / Culture も志望動機や価値観を確認するために、応募を決めた段階で改めて精読します。
また、求人票の欄を「実務欄(役割と責任・必要な知識など)」「要確認欄(勤務形態・年収レンジなど)」に分ける整理もあります(参考:採用のウラ側「求人票の見方・ポイント」)。これは日本の求人票を前提にした解説ですが、勤務地・働き方・報酬に関する記載は本文だけで判断せず、応募前に確認しておく、という考え方は英文JDでも参考になります。
Required と Preferred の違いと、応募の判断基準
表現の読み分け
| 区分 | 主な表現 | 読み方 |
|---|---|---|
| 必須寄り | Required / Must have / Essential / Minimum qualifications | 満たしていることを前提に書かれている |
| 歓迎寄り | Preferred / Nice to have / Desirable / A plus / Bonus | あれば評価されるが、必須ではない |
見出しが Requirements でも、文中に「ideally」「preferably」とあれば実質は歓迎要件に近い書き方です。逆に、Nice to Have の項目でも自分が持っていればアピール材料になります。
必須要件を満たしていないときは応募してよいか
採用業界の経験則として、Must Have要件を60〜70%程度満たしていれば応募を検討する価値があると言われています(参考:英語ハック)。ただしこれは絶対の基準ではなく、あくまで目安です。通過を保証するものでもありません。一方で、リストの全項目に当てはまらないからといって、直ちに応募不可とは限らない、とも言えます。
満たしていない項目は、次のように分けて考えると判断しやすくなります。
- 経験年数:「5+ years」の扱いは次の項で説明します。
- ツールやスキルの経験:同じものを使った経験がなくても、関連する経験があれば具体的に示します。ただし、それを許容するかどうかは企業の判断です。
- 資格・就労に関する条件:JDに required license、current work authorization、no sponsorship などと明記されている場合は、自己判断せず、応募前に企業へ確認します。職種や企業、応募時点の状況によって条件が異なるためです。
「満たしていない項目」をリストアップし、「関連経験を示せる項目」と「企業への確認が必要な項目」に分けておくと、応募するかどうかの判断がしやすくなります。
「5+ years」と、リストの並び順の読み方
「5+ years of experience」という表記は、厳密な足切りではなく経験年数の目安であることが多く、質の高い3〜4年の経験で代替できるケースもあると言われています(参考:英語ハック)。また、ResponsibilitiesやRequirementsのリストでは、上位に書かれた要件ほど採用担当者が重視している傾向があるとされます(同じ英語ハック)。
ただし、並び順は書き手の習慣やテンプレートの影響を受けることもあり、人事が定めた厳密なルールとは限りません。「上の項目ほど重要かもしれない」という仮説として使い、履歴書の中で上位項目に近い実績を目立たせる程度に留めるのが安全です。
頻出表現を履歴書側の「証拠」に変換する
JDの表現は、「何を示してほしいか」の合図として読みます。
| JDの表現 | 読み方 | 履歴書で見せたいこと |
|---|---|---|
| Proven track record of ... | 過去に結果を出した証拠を見たい | 数値・比較・期間のある実績 |
| Demonstrated ability to ... | 実際にやった経験を具体的に知りたい | 状況と行動、結果が分かる一文 |
| Cross-functional | 他部署と連携した経験があるか | 関わった部署名と、何を調整したか |
| Ownership / Self-starter | 指示待ちでなく自分で動けるか | 自分で提案・主導した業務 |
| Strong communication skills | 伝える相手と目的が分かる経験 | 誰に何を説明し、どうなったか |
以下の例の数字や条件は、いずれも説明用の架空の設定です。
例1:Proven track record
JDの一文:Proven track record of exceeding sales targets in B2B SaaS.
例(前提):国内の法人向けSaaS営業として、2022年度の売上目標(クォータ)に対して118%を達成した実績がある場合。
例(Before):Responsible for sales of SaaS products to corporate clients.
例(After):Exceeded the FY2022 B2B SaaS sales target, achieving 118% of quota.
変えたのは書き方だけです。Beforeでは「担当していた」と業務の説明で終わっていますが、Afterでは前提に含まれていた「目標」「年度」「達成率」を前面に出しています。前提にない数字や顧客名は足していません。
例2:Demonstrated ability to work cross-functionally
例(前提):営業・開発・カスタマーサクセスの各部門と連携し、顧客から寄せられた製品改善要望を取りまとめた場合。
例(Before):Coordinated with other teams.
例(After):Worked with Sales, Engineering and Customer Success to consolidate customer feedback on the product.
「other teams」を実際の部署名と作業内容に置き換えただけです。成果を示す事実がなければ、無理に成果を書き足さず、事実のまま書きます。
例3:経験年数が足りないとき
例(前提):JDは「5+ years」だが、実際の経験は法人向けSaaS営業の4年で、中堅の製造業を主に担当していた場合。
例(After):Sales professional with 4 years of experience in B2B SaaS sales, focused on mid-sized manufacturing clients.
年数を水増しせず事実のまま書き、足りない分は、前提に含まれている担当領域や、実際にある実績の具体性で補います。実際に使う場合は、この後にご自身の事実に基づく実績を続けてください。
JDを英文履歴書に反映する手順
- ResponsibilitiesとRequirementsを抜き出す:上から順に、自分の経験で対応するものを書き出します。
- 対応表をつくる:「JDの要件」「自分の実績」「足りない点」の3列で整理します。足りない点を無理に埋める必要はありません。
- 上位の要件に近い実績を優先して並べる:職務要約や直近の職歴の上部に置きます。
- JDの用語に合わせられるところは合わせる:自分の経験が同じ内容を指しているなら、JDの言い回し(たとえば customer success や stakeholder management)に揃えます。ただし、やっていないことを書くのは避けてください。
- 動詞を選び直す:Responsible for ばかりにならないよう、成果が伝わる動詞に替えます(英語履歴書・面接で使えるアクション動詞一覧)。全体の書き方は外資系企業用の英語履歴書の書き方のガイドブックも参考になります。
この「JDと自分の実績を突き合わせて、その求人専用の履歴書にする」作業を行うのが、EigoHeroの求人に合わせた英文Resume作成です。日本語の履歴書・職務経歴書にある事実と確認質問への回答を、応募先JDに合わせて整理するサービスで、単なる翻訳ではなく、事実にない経験は追加しません。
ATSとキーワードの関係
応募者管理システム(ATS)の仕組みは、システムや企業の設定によって異なり、外からは確認できません。そのため「JDの単語を入れれば通る」「完全一致で足切りされる」といった断定はできません。実務的には、人間の担当者がJDと見比べたときに分かりやすいよう、JDの重要な用語を、事実に基づく範囲で自然に使う、という考え方で十分です。キーワードを並べるだけのスキル欄より、実績の文の中で使うほうが読み手にも伝わります。
応募前チェックリスト
- Responsibilitiesを読み、自分の経験に対応するものに印を付けたか
- Required と Preferred を分けて、足りない点を書き出したか
- 足りない点を、関連経験を示せるもの(年数・ツールなど)と、企業への確認が必要なもの(required license、work authorization、sponsorship など)に分けたか
- 「5+ years」などの数字を、目安として読むか、厳格な条件として読むかを考えたか
- Proven track record / Demonstrated ability などの表現に対し、実績を数値や事実で示せるか
- 勤務形態・報酬などの要確認事項を、応募前に確認する項目としてメモしたか
- About Us / Culture から、面接で話せる志望動機の材料を拾ったか
書類を通過した後は、JDに書かれた業務と自分の実績をもとに、面接でも同じ話を深掘りされます。英語面接でよく聞かれる質問と答えと合わせて、JDの各項目を「話せるエピソード」に結びつけておくと、準備が一貫します。
どれだけ丁寧に読んでも、JDだけで合否や企業の本音は分かりません。判断に迷う場合は、要件を満たしている点と、不足している点を整理したうえで、自分の実績が最も伝わる応募先から優先して進めるのが現実的です。


