英文レジュメのATS対策|採用管理システムの基本とよくある誤解
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外資系企業に英文レジュメを出すとき、「ATS対策」という言葉をよく目にします。ATS(Applicant Tracking System、採用管理システム)は、企業が応募者の情報を管理・検索するためのソフトウェアです。ただ、ATSについては根拠のはっきりしない情報も多く出回っています。
この記事では、英文レジュメを書く側が知っておきたいATSの基本と、よくある誤解、実際に気をつけたい書き方を整理します。
ATS(採用管理システム)とは
ATSは、応募の受け付けや応募者情報の管理、選考状況の記録などに使われるシステムの総称です。どの機能を持ち、レジュメをどう保存・表示・検索するかは製品によって異なり、同じ製品でも企業ごとの設定や運用で使われ方が変わります。
大切なのは、ATSの設定や選考での使われ方は企業ごとに違い、その詳細は応募者の側からは通常分からないということです(応募ページの表示などから製品名が分かる場合はあります)。「ATSはこう動くから、こうすれば通る」といった断定的な説明はうのみにせず、どのATSでも自動的に選考を通過できる書き方はないと考えておくのが安全です。
ATSについてのよくある誤解
誤解1:レジュメの書き方だけで、システムが合否を決めている
ATSをめぐる話は、次の3つを分けて考えると整理しやすくなります。
- 応募フォームの質問:勤務地、就労資格、必須資格の有無などを聞く質問です。企業によっては、この回答が選考の進め方に影響することがあります。正直に、正確に答えましょう。
- 求人の要件との整合:応募するポジションの要件と、自分の経験が合っているかどうかです。これはレジュメの書き方では変えられません。
- レジュメ本文の読みやすさ:経験が要件に合っている場合に、それが読み手に正しく伝わるかどうかです。この記事の後半で扱うのは、この部分です。
企業がどの段階でシステムをどう使っているかは、応募者からは分かりません。書き方の工夫は、3つめの「正しく伝わるか」を整えるものだと考えてください。
誤解2:キーワードをたくさん入れるほど有利になる
求人票の言葉を使うことには意味があります(後述)。しかし、経験と関係なくキーワードを並べたり、同じ言葉を何度も繰り返したりしても、読んだ人には不自然に見えます。経験していないスキルを書けば、面接で説明できません。
誤解3:白い文字でキーワードを隠しておけばよい
背景と同じ色の文字でキーワードを入れておく、という方法が紹介されることがあります。これは読み手に対して内容を偽る行為で、見つかれば不誠実な印象を与えます。やめておきましょう。
人にもシステム上でも伝わりやすい形式(本記事の推奨)
どのシステムでどう表示されるかは製品や設定によって異なり、次の形にすれば必ず正しく読み取られるという保証はありません。ここで紹介するのは、人が読んでも、システム上でテキストとして扱われても内容が伝わりやすくするための、本記事としての推奨です。
ファイル形式は応募先の指定に従う
応募フォームやメールで形式の指定があれば、それに従います。たとえば採用管理システムのGreenhouseは、候補者がアップロードできる形式として .doc、.docx、.pdf、.rtf、.txt を挙げています(参考:Greenhouse Support)。アップロードできる形式であることは、内容が正確に解析されることや、その形式が選考で有利になることを意味しません。指定がない場合は、応募フォームが受け付ける形式の中から、文字を選択・コピーできるPDFかWord形式を選ぶとよいでしょう。
レイアウトはシンプルな1カラムにする
- 職歴は、2カラムやテキストボックス、表組みの中ではなく、上から順に読める本文として書く
- 連絡先やスキルなどの大事な情報を、アイコン・グラフ・画像の中だけに入れない
- 連絡先は、ヘッダー・フッター機能の中だけでなく本文の最初にも書いておく
- 画像をPDFにしたもの(スキャンした紙のレジュメなど)ではなく、文字を選択・コピーできるファイルにする
テンプレートを選ぶときの基準は、英文履歴書テンプレートの選び方で詳しく説明しています。
見出しは一般的な名前にする
「Work Experience」「Education」「Skills」のように、誰が見ても分かる見出しを使います。「My Journey」「What I've Done」のような凝った見出しは、何のセクションなのかが伝わりにくくなります。
日付・表記をそろえる
在籍期間は「Apr 2021 – Present」のように、すべての職歴で同じ書き方にします。略語は「Search Engine Optimization (SEO)」のように、一度は正式名称と一緒に書いておくと、略語を知らない読み手にも伝わります。
求人票の言葉を、経験の範囲で使う
書き方で工夫できるのは、求人票と同じ言葉で、自分の実際の経験を説明することです。同じ経験でも、求人票と違う言葉で書かれていると、読み手が要件との対応を見つけにくくなります。
求人票の要件 Experience with stakeholder management across Sales and Engineering
Before
- Coordinated with other departments on product releases.
After
- Coordinated product releases with stakeholders in Sales and Engineering.
※説明用の例です。「other departments」が実際に営業部門と開発部門だった場合に限り、Afterのように書けます。頻度や成果を加えるのは、自分で確認できる事実がある場合だけです。
役職名は、経歴の確認で食い違いが出ないよう、会社での正式な役職名をそのまま使います。社内の呼び方(例:「営業推進」)だけでは仕事の内容が伝わりにくい場合は、Summaryや箇条書きで「Sales Operations」のような一般的な職務領域を説明として補います。
求人票から要件を読み取る方法はジョブディスクリプションの読み方、要件の重みの見分け方はRequiredとPreferredの違いで解説しています。
提出前にできる簡易確認
- 完成したレジュメ(PDFやWord)の全文を選択してコピーし、メモ帳などのテキストエディタに貼り付ける
- 職歴・学歴・スキルが、正しい順番で、文字化けせずに並んでいるかを確認する
- 連絡先、会社名、役職名、日付が抜けていないかを見る
これは、ATSでの表示や解析の結果を再現・保証するテストではありません。文字化けや、文字として選択できない部分、順番の崩れといった基本的な問題を見つけるための簡易確認です。問題が見つかったら、その部分のファイル形式やレイアウトを見直しましょう。応募先の指定形式があれば、それを最優先してください。
英文レジュメ全体の構成と書き方は、英語履歴書の書き方ガイドにまとめています。


