職務経歴書を英語にする方法|英訳ではなく英文レジュメに作り直す手順
公開日

日本語の職務経歴書を英語にしたいとき、まず避けたいのはそのまま英訳してしまうことです。職務経歴書と英文レジュメは、似ているようで役割も構成も違います。日本語の文章を一文ずつ訳すのではなく、職務経歴書を「事実の材料」として使い、応募する求人に合わせて英文レジュメを組み立て直すのが近道です。
この記事では、職務経歴書から英文レジュメを作る手順を、直訳と作り直しのBefore/After例つきで説明します。
職務経歴書と英文レジュメの違い
まず、2つの書類の違いを整理しておきます。
| 日本の職務経歴書 | 英文レジュメ | |
|---|---|---|
| 役割 | 職歴の詳細を伝える(履歴書とは別の書類) | 履歴書と職務経歴書を1つにまとめた書類 |
| 個人情報 | 職歴が中心(個人情報は履歴書側で扱う) | 年齢・性別の記載や顔写真は原則不要 |
| 職歴の順番 | 様式によって異なる | 新しい順が基本 |
| 長さ | 職歴に応じて複数枚になることもある | 1枚、職歴が長ければ2枚が目安 |
| 書き方 | 担当業務を文章で詳しく書く形式もある | 応募先に関係する業務・責任範囲・成果を、動詞で始まる短い箇条書きに整理する(本記事の推奨) |
英文履歴書は1枚の応募書類に「履歴書」と「職務経歴書」を兼ねた形式で、年齢・性別の記載や顔写真は不要、職歴は新しい順に書き、長さは1枚(職歴が長ければ2枚)が目安とされています(参考:ロバート・ハーフ「英文履歴書(英文レジュメ・CV)とは?」)。
つまり、職務経歴書の情報量をそのまま英語にすると、長すぎて、しかも求人と関係の薄い情報が多い書類になります。英文レジュメでは何を書かないかを決める作業が欠かせません。
外資系企業でも、日本語の履歴書・職務経歴書と英文レジュメの両方を求められることがあります。応募先の指示がある場合は、それを優先してください。
職務経歴書から英文レジュメを作る6つの手順
手順1:応募する求人票を先に読む
英語にする前に、応募先の求人票(Job Description)を読み、求められている経験・スキルを書き出します。英文レジュメは「この仕事に対して何ができるか」を伝える書類なので、求人票が書く内容を選ぶ基準になります。
英語の求人票で見るべき見出しや表現は、ジョブディスクリプションの読み方で詳しく解説しています。
手順2:職務経歴書から「事実」を抜き出す
職務経歴書の文章を、英訳しやすい事実の単位に分解します。会社ごとに、次の項目をメモしておくと後の作業が楽になります。
- 会社名、所在地、在籍期間(西暦・月まで)
- 役職・部署
- 担当していた業務と、その規模(担当顧客数、予算、チーム人数など)
- 成果(数字があれば、その根拠も)
- 使っていたツール・言語・資格
根拠を説明できない数字は書かないのが原則です。売上の伸び率などを書く場合は、面接で「どうやって測ったのか」と聞かれても答えられるものだけにしましょう。
手順3:求人と関係する経験を選ぶ
手順1で書き出した要件と、手順2の事実を突き合わせます。要件に関係する経験を上に、関係の薄いものは短くするか省きます。職務経歴書では丁寧に書いていた社内表彰や細かい業務も、求人と関係がなければ英文レジュメには入れなくてかまいません。
必須要件に足りない部分がある場合は、RequiredとPreferredの違いと応募判断を参考にしてください。
手順4:箇条書きを英語で組み立て直す
ここで初めて英語にします。日本語の文を訳すのではなく、**「動詞+何を+(確認できる場合は)どうなったか」**の形で一行ずつ書き直します。成果や数字が確認できない業務は、担当範囲や工夫した点を具体的に書けば十分です。
Before(職務経歴書の直訳)
- In charge of sales to corporate customers in the Kanto area.
- Engaged in the management of a team.
- Contributed to the improvement of sales.
After(英文レジュメとして作り直したもの)
- Managed 40 corporate accounts in the Kanto region, focusing on manufacturing clients.
- Led a team of three sales representatives and trained two new hires.
- Increased annual sales in my territory by 18% by introducing quarterly account reviews.
※数字は説明用の架空の例です。実際の経験と、説明できる数字だけを書いてください。
Beforeは文法的には間違っていませんが、「何を担当していたか」しか分かりません。Afterは、規模・役割・成果が一行ずつ伝わります。
日本語の職務経歴書によく出る表現は、次のように置き換えると自然です。
| 職務経歴書の表現 | 直訳しがちな英語 | 英文レジュメでの書き方の例 |
|---|---|---|
| 〜を担当 | In charge of 〜 | Handled 〜 /(実際に管理していた場合)Managed 〜 |
| 〜に従事 | Engaged in 〜 | 具体的な動詞(Developed, Analyzed など)で書く |
| 〜に貢献 | Contributed to 〜 | 何をして、何が変わったかを書く |
| 〜を推進 | Promoted 〜 | (実際に主導した場合)Led 〜 /(参加した場合)Supported / Contributed to 〜 |
| 〜の取りまとめ | Summarized 〜 | Coordinated 〜 across teams |
動詞は、実際の役割の大きさに合わせて選んでください。Owned、Led、Launched などは、担当や参加より大きな責任範囲を示す言葉です。
役職名・部署名の英語表記に迷ったら、役職名・部署名の英語表記一覧を参考にしてください。
手順5:Summary と Skills を書く
職務経歴書の「職務要約」は、英文レジュメのProfessional Summaryにあたります。ただし、職務要約の訳ではなく、手順3で選んだ経験をもとに、応募する仕事に向けて2〜3文で書き直します。
Before(職務要約の直訳) After graduating from university, I joined ABC Corporation and have been engaged in sales for 8 years.
After B2B sales professional with eight years of experience selling industrial equipment to manufacturers in Japan. Experienced in managing key accounts and coordinating with overseas product teams in English.
※経験年数などは説明用の架空の例です。
Skills には、求人に関係する言語・ツール・資格を短く並べます。学位や資格の英語表記は、次の記事にまとめています。
関連記事【英語履歴書必見!】学位・資格の英語表記一覧
手順6:元の職務経歴書と照らし合わせて確認する
最後に、英文レジュメの一行一行が、職務経歴書(または自分の記憶と記録)のどの事実にもとづいているかを確認します。英語で書き直す途中で、表現が少しずつ大きくなっていくことはよくあります。「Led」と書いたなら本当にリードしていたか、「Increased sales by …%」と書いた数字の根拠はあるかを見直しましょう。
英語表記で迷いやすいポイント
- 会社名:企業の公式サイトの英語ページ、名刺、契約書などで、会社が実際に使っている英語名を確認して使います。公式の英語名が確認できない場合は、法人格を自分で英訳して付け足さず、会社名をローマ字で書き、必要なら事業内容を補足します(例:ABC Shoji, a trading company in Osaka)。
- 日付:和暦は西暦に直し、「Apr 2021 – Present」のように月と年で書きます。表記は全体でそろえます。
- 異動が多い場合:同じ会社の中での異動は、会社名の下に役職ごとにまとめると読みやすくなります。
- 社内用語:社内でしか通じない部署名やプロジェクト名は、何をする組織・案件なのかが分かる言葉に言い換えます。
翻訳ツールやAIを使うときの注意
翻訳ツールやAIは、英語表現を整えるのに便利です。ただし、職務経歴書を丸ごと渡して「英文レジュメにして」と頼むと、書いていない成果や数字、使ったことのないツール名が入る可能性があります。出力は必ず手順6の方法で事実と照らし合わせてください。具体的な注意点はAIで英文履歴書を作るときの注意点にまとめています。
EigoHeroも同じ考え方で、日本語の経歴と応募先の求人票をもとに、確認した経歴の範囲で英文レジュメを組み立てるサービスです。
提出前のチェックリスト
- 求人票の要件に関係する経験が、上のほうに来ている
- 年齢・性別・写真など、求められていない個人情報を書いていない
- 職歴が新しい順に並んでいる
- 箇条書きが動詞で始まり、担当範囲が分かる(成果や規模は、確認できる場合だけ書いている)
- すべての数字の根拠を説明できる
- 会社名・役職名・日付の表記がそろっている
英文レジュメ全体の構成や各項目の書き方は、次の記事で解説しています。
関連記事外資系企業用の英語履歴書の書き方のガイドブック

