英文レジュメのSkills欄の書き方:求人票に合わせる方法
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本記事は、主に企業への応募に使う英文Resume(日本では英文CVと呼ばれることもある書類)を対象にします。研究職などで使われる学術CVは対象外で、ここでの助言がそのまま当てはまるとは限りません。
英文レジュメのSkills欄は、「何ができるか」を短時間で確認してもらうための索引です。そして、そこに書いた項目は、職歴(Work Experience)、プロジェクト、資格・試験結果など、レジュメ内の事実と整合している状態が望ましいです。ツールや資格、語学のように名前で示せるものはSkills欄に、コミュニケーション力やリーダーシップのように行動で示すものは職歴の実績文に書く、という役割分担を、本記事では基本方針として勧めます。
Skills欄の配置と見出し:Skills・Qualifications・Certificationsの使い分け
配置や見出し名に唯一の標準があると確認できた情報はありません。以下は、読み手が探しやすいという観点からの編集上の推奨です。職種や経歴に合わせて調整してください。
| 構成 | 向いているケース(目安) |
|---|---|
| Summaryの直後にSkillsを置く | 求人で求められるツールや技術が明確で、冒頭で見せたい場合(ITや分析系など) |
| Work Experienceの後にSkillsを置く | 実績が主役で、スキル欄は補足の位置づけにしたい場合 |
| Skillsの中を小見出しで分ける | 項目が多く、種類ごとに整理したい場合 |
見出し名は、Skills、Technical Skills、Core Competenciesなどが使われることがあります。本記事では、意味が伝わりやすいSkillsか、技術職ならTechnical Skillsを勧めます。語学や資格は項目が増えやすいので、LanguagesやCertificationsとして分けると読みやすくなります。
「Qualifications」という語には注意が必要です。Summary of QualificationsやCore Qualificationsのように、技能・適性・強みをまとめる見出しとして使われる場合もあれば、日本語の「資格」の意味で使われる場合もあります。使われ方は会社や書き手によって異なるため、混乱を避けるには次のように分ける方法が分かりやすいです。
| 見出し | 入れる内容 |
|---|---|
| Skills / Technical Skills | ツール、技術、プログラミング言語など |
| Core Qualifications(使う場合) | 応募職種に関わる技能・適性を短くまとめたもの。内容はSkillsと重ねすぎない |
| Certifications | 正式名称のある資格・認定 |
| Languages | 語学と、その水準・使用場面 |
資格の書式例は次の通りです。
例:
Certifications
Official Certification Name — 2023
Official Certification Nameは実際の正式名称に、2023は実際の取得年に置き換えます。資格は正式名称とともに取得年も記載し、業務に関係のない運転免許などは応募資格に含まれていない限り書く必要はないとされています(参考:エンワールド「英文レジュメの書き方ガイド」)。日本の学位や資格名の英語表記は、学位・資格の英語表記一覧で確認できます。
冒頭のSummaryとの役割分担は、英文レジュメのSummary(職務要約)の書き方で整理しています。Summaryで強みを文章で示し、Skills欄でそれを支えるツールや技術を一覧にすると、内容の重複を避けやすくなります。
ハードスキルとソフトスキルの違いと書き方
英語版履歴書では、スキルを「ハードスキル(技術的なスキル・プログラミング言語・語学・資格)」と「ソフトスキル(個人の能力・コミュニケーション力・リーダーシップ等)」の2つに分けて説明する考え方があります。また、ハードスキルのほうが仕事の即戦力に直結するため、スキル欄ではハードスキルを先に書くと採用担当者に注目されやすいとされています(参考:HelloBoss「英語版履歴書におけるスキルの書き方」)。ただし、実際の見られ方は応募先によって変わる可能性があるため、本記事では「求人票で重視されている側を先に置く」という判断を勧めます。
| ハードスキル | ソフトスキル | |
|---|---|---|
| 例 | Salesforce、SQL、Excel、会計ソフト、英語・日本語 | 調整力、リーダーシップ、問題解決力 |
| 示し方(本記事の推奨) | ツール名・用途・経験の範囲をSkills欄に書く | 職歴の実績文で、行動と結果を通じて示す |
| Skills欄での扱い(推奨) | 中心に置く | 置くなら少数にとどめる |
ソフトスキルを単語だけで並べても評価されるのか
Communication skills, Leadership, Problem-solvingのような単語だけの羅列は、どんな経歴の人でも書けてしまうため、読み手にとって具体性が乏しくなります。これは本記事の編集上の見解で、統計に基づく主張ではありません。一方で、「単語を並べればATSの評価が上がる」「通過率が高まる」といった説を裏づける根拠は、今回確認できた情報にはありません。ATSの仕組みは製品や企業ごとに異なるため、単語の羅列を確実な対策と考えるのは避けたほうが安全です。
ソフトスキルは、職歴の実績文の中で示すほうが伝わりやすくなります。次の例で見てみましょう。
(前提:営業事務として、営業部門と物流部門と調整しながら受注処理の手順を見直し、処理日数を5日から2日に短縮した実績がある場合)
例:Before(Skills欄)
Communication skills, Problem-solving, Teamwork
例:After(Work Experienceの1行)
Coordinated with sales and logistics teams to redesign the order-processing workflow, cutting processing time from 5 days to 2 days.
Afterの1行には、調整力(Coordinated with ... teams)も問題解決(redesign the workflow)も、行動と結果として含まれています。使っている事実は前提に書いたものだけです。Skills欄に残すなら、Cross-functional coordinationのように、職歴の内容と対応する具体的な表現を1つ程度にとどめます。
動詞の選び方はアクション動詞の一覧も参考になります。
語学・ツール・資格のレベルの書き方
語学のレベル表現には、初級(Beginner)、中級(Intermediate)、上級(Proficient)、堪能(Fluent)、ネイティブ(Native)などの区分があります(参考:HelloBoss)。ただし、どの語がどの水準にあたるかを全員に共通の基準として定めた情報は確認できていません。そこで、レベルの語と使用場面は別々の情報として書くことを勧めます。使用場面は読み手が水準を想像する助けになりますが、「日常的に使っている」ことだけで「Fluent」だと示せるわけではありません。
(前提:架空のケース。日本語は母語で、英語は週次の顧客ミーティングとレポート作成で使っており、自己評価では「ビジネスでは問題なく使えるが、ネイティブではない」と考えている場合)
例:
Languages
Japanese: Native
English: Professional working proficiency (used for weekly client meetings and written reports)
これはあくまでテンプレートです。Professional working proficiencyの部分は、自分の実際の水準に合う表現(Intermediate、Proficient、Fluentなど)に置き換えてください。水準に自信が持てない場合は、試験スコアや使用場面を事実として書き、レベルの語は控えめに選ぶほうが、面接で説明しやすくなります。
TOEICなどのスコアは、持っていれば併記して構いません。ただし「外資系レジュメには必須」と決めつける必要はありません。応募先での受け止められ方は会社や国によって異なります。スコアを書く場合も、実務で英語を使った場面と並べておくと伝わりやすくなります。
ツールやITスキルについては、英文履歴書のSKILLS項目には、応募職種で使うアプリケーションの利用経験や業務環境、プログラミング言語などを書き、応募要件に合うスキルや経験には数字やデータの根拠を示すと説得力が増すとされています(参考:リクナビNEXT「英文履歴書・職務経歴書の書き方」)。
Basic/Intermediate/Advancedのような3段階で書く人もいますが、各段階の定義が広く共通していると確認できた情報はありません。本記事では、レベルの語の後ろに、何ができるかを括弧で添える書き方を勧めます。
例:
Microsoft Excel: Intermediate (pivot tables, VLOOKUP, monthly sales reports)
SQL: Basic (SELECT queries for ad hoc reporting)
資格の書き方は、前の章のCertificationsの例を参照してください。
求人票の言葉に合わせてSkills欄を作る手順
Skills欄は、全員に同じ内容を使い回すものではありません。応募する求人ごとに、取捨選択と表現の調整が必要です。
- 求人票のRequirements(必須)とPreferred(歓迎)から、ツール名、技術、資格、語学の要件を抜き出す
- それぞれについて、自分の経験で実際に言えるものに印をつける
- 経験がある項目は、求人票と同じ表記でSkills欄に書く
- 経験がない項目は、無理に書かない(近い経験があるなら、実際のツール名で書く)
- 職歴や資格など、レジュメ内にその項目の裏づけがあるか確認する
具体例で見てみましょう。次はこの記事のために作った架空の求人票の抜粋です。
例:Requirements(架空の求人票)
- 3+ years of experience in B2B account management
- Proficiency in Salesforce or similar CRM tools
- Strong stakeholder communication
- Experience with Excel reporting (pivot tables)
| 求人票の言葉 | 確認すること | Skills欄・職歴への反映 |
|---|---|---|
| Salesforce or similar CRM tools | Salesforceを使ったか。別のCRMだったか | 使ったツールをそのまま書く(例:Salesforce (CRM)) |
| Excel reporting (pivot tables) | ピボットテーブルを実務で使ったか | Microsoft Excel (pivot tables)と書き、職歴にも用途を入れる |
| stakeholder communication | 社外・社内の誰とどう調整したか | Skills欄ではなく、職歴の実績文で示す |
| B2B account management | 担当した業務の範囲 | Summaryと職歴で示す(Skills欄に単語で置かない) |
ここで大事なのは、使っていないツール名を、求人票に合わせて書かないことです。経験のないSalesforceを書けば、面接で具体的に聞かれた際に説明できません。また、キーワードを大量に詰め込めば有利に働く、という考え方も取らないでください。文脈のない羅列は、人が読むときに印象が弱くなります。
求人票の表記をそのまま使うことは、読み手が対応関係を確認しやすくなる点で、本記事では推奨します。ただし、ATSでどう照合されるかはシステムや企業によって異なり、表記の揃え方が結果にどう影響するかを裏づける情報は、今回は確認できていません。略称と正式名称の併記(AWS (Amazon Web Services)、CRM (Customer Relationship Management)など)も、略称に馴染みのない読み手への配慮として行うのが現実的です。ATSの基本はATS対策の解説で、求人票の項目の読み方はJob Descriptionの読み方で確認してください。
EigoHeroは、日本語の履歴書・職務経歴書と確認質問から事実を整理し、応募先のJDに合わせて英文Resumeを作成するサービスです。翻訳やキーワードの挿入ではなく、経験を創作しないことを前提にしています。手作業で進める場合も、上の手順で同じ考え方を実践できます。
Skills欄と職歴を連動させる
Skills欄に書いた項目は、職歴、プロジェクト、資格・試験結果など、レジュメ内の事実と整合している状態が望ましいです。作成後は、次のように対応表を作って確認してみてください。
| Skills欄の項目 | 裏づけになる記述の例 |
|---|---|
| Salesforce (CRM) | 職歴に、商談・顧客情報の管理に使った場面がある |
| Microsoft Excel (pivot tables) | 職歴に、集計・レポート作成で使った場面がある |
| English: (実際の水準に合う表記) | 英語で会議・メール対応をした場面(使用場面の裏づけ)。レベルの語自体は、試験結果や自己評価の根拠と合わせて選ぶ |
| Certifications の各項目 | 取得記録(正式名称と取得年)が手元にある |
英語で会議やメールをした経験は、使用場面の裏づけにはなりますが、それだけで特定のレベル(たとえばFluent)の根拠にはなりません。レベルの語は、試験結果や自分の実際の水準に合わせて選びます。
対応する記述が見つからない項目は、Skills欄から外すか、使った場面を職歴などに足せるか検討します。逆に、職歴に何度も出てくるのにSkills欄にないツールがあれば、追加の候補です。
裏づけの文は、事実の範囲で書きます。次の例では、前提に書いた事実だけを使っています。
(前提:営業事務として、Excelのピボットテーブルを使い、毎月の売上レポートを作成していた場合)
例:Before
Excelで毎月の売上レポートを作成した。
例:After
Prepared monthly sales reports in Microsoft Excel using pivot tables.
Afterは、元の事実を英語で整理して、ツール名と機能名を明確にしただけです。数字や成果を足したくなる場合は、実際にその事実があるかを先に確認してください。AI翻訳を使う場合の注意点は、AIで英文履歴書を作るときの注意点にまとめています。
提出前のチェックリスト
- 見出しは
SkillsやCertificationsなど意味が伝わる名前で、読み手がすぐ見つけられる位置にある Qualificationsを使う場合、技能のまとめなのか資格なのかが内容から明確になっている- 求人票で重視されている種類(技術・語学など)が先に来ている
- ソフトスキルを単語だけで並べず、職歴の実績文で示している
- 語学のレベルの語と使用場面を、別々の情報として書いている。レベルの語は実際の水準に合っている
- ツールのレベルに、できることの補足がある
- 資格は正式名称と取得年を書き、業務と関係のないものは外している
- 求人票に出てくる項目は、経験がある範囲で同じ表記を使っている
- 略称は、必要に応じて正式名称と併記している
- Skills欄の各項目が、職歴、プロジェクト、資格・試験結果など、レジュメ内の事実と整合している


