RequiredとPreferredの違い|未達の要件があるときの応募判断
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結論から言うと、Requiredは「その職務で必須とされる条件」、Preferred(Nice to Have)は「あれば評価が上がる加点要素」です。必須要件をすべて満たしていなくても応募を検討できる場合はあります。ただし、求人票に「資格保有が必須」「sponsorship is not available」「指定勤務地への出社が必須」などと明記されている場合は、扱いが変わることがあります。まず、どの要件がどの性質なのかを見分けることが、応募判断の出発点になります。
RequiredとPreferredの違いと、似た表現の読み方
| 区分 | 英語表現 | 日本語の目安 |
|---|---|---|
| 必須 | Required | その職務で必須とされる条件 |
| 歓迎 | Preferred / Nice to Have | あれば評価される加点要素 |
PreferredとNice to Haveは実質的にほぼ同義で、どちらも「あれば望ましい」という加点要素を指します(参考:英語ハックの解説)。
求人票では、Must Have、Essential、Minimum Qualifications、Desirable、A plus、Bonusといった表現が使われることもあります。ただし、これらは企業によって意味や重みが異なります。見出しの言葉だけで必須か歓迎かを決めつけず、本文の具体的な記述まで読んでください。
次の求人票の抜粋を読んでみます。
例 Requirements
- 3+ years of experience in B2B sales
- Experience using a CRM (e.g., Salesforce)
- Business-level English
Preferred Qualifications
- Experience working with overseas teams
- Familiarity with the SaaS industry
読み取りのポイントは次のとおりです。
- 3+ years:年数の書かれ方が「目安」なのか「厳格な線」なのかを見ます(次章で扱います)。
- CRM (e.g., Salesforce):e.g.は例示です。特定製品の経験を求めているのか、CRMの運用経験全般を求めているのかは、他の記述と合わせて判断します。
- Business-level English:会議、メール、資料作成のどれで使うのかを、仕事内容の欄から確認します。
- Preferred:必須要件の代わりにはならず、あくまで追加の評価材料として読みます。
必須要件が一部未達でも応募してよいか
一般的には、Requirements(必須条件)の7割程度を満たしていれば応募を検討する価値があると言われています。Nice to Haveはあくまで加点要素です(参考:英語ハック)。
別の解説では、応募の目安として、必須要件は「60〜70%は満たしている」、歓迎要件は「1つでも仕事で活かせる強みがある」、不足分は「入社後にキャッチアップ可能な根拠を示せる」という3つの状態が挙げられています(参考:キャリアとHRの散歩道)。
年数の指定も同様です。「5+ years of experience」のような数字は、厳密な足切り基準ではなく目安として書かれているケースが大半だとされています(参考:英語ハック)。歓迎要件についても、人事担当者は「なければ不合格」ではなく「あれば嬉しい」という位置づけで設定していることが多いと述べています(参考:gamebiz)。
歓迎要件がどの程度評価に影響するかについて、固定された配点や影響度があるわけではありません。評価のウェイトは求人や候補者層によって異なり、求人票だけから一律の点数には換算できません。判断の基準は、持っている歓迎要件を職務でどう活かせるかを、実績で示せるかどうかです。
ただし、これらはあくまで目安です。次の3点は誤解しないでください。
- 一定の割合を満たせば通るという保証はありません。 求人票に就労資格や専門資格の保有が必須と明記されている場合など、その条件が欠けると選考が進まない可能性があります。割合より先に、明記された条件に欠けているものがないかを見ます。
- 歓迎要件を多く持っていても、必須要件の不足を埋められるとは限りません。 歓迎要件は加点であり、必須要件の代替ではありません。必須要件が大きく不足している場合に、歓迎要件だけで書類選考を通る根拠はありません。
- ATS(採用管理システム)がどう使われるかは、求人票だけでは分かりません。 その企業がATSでどの条件を自動判定しているかは、外からは見えないからです。したがって、単語の一致だけで合否が決まると想定せず、JDに対応する事実を人が読んでも分かる形で書きましょう。
「明記された条件」と「補える要件」の見分け方
割合で考えるよりも、要件の性質で分けるほうが実用的です。以下の分類は、応募判断のための実用上の整理です。最終的な扱いは企業ごとに異なるため、迷うときは求人票の文言と企業の案内を確認してください。
| 種類 | 例 | 考え方 |
|---|---|---|
| 硬い要件(求人票に明記されている場合) | 「Must hold a nursing license」など資格・免許の保有必須、「Visa sponsorship is not available」、「On-site in Tokyo required」 | 文言どおりなら未達だと選考が進まない可能性がある。求人票と企業の案内を確認し、不明なら応募前に確認する |
| 相対的な要件 | 特定ツールの経験年数、業界経験の年数、製品名 | 近い経験で補える余地がある。補えるかどうかは企業と職種による |
| 判断が分かれる要件 | 英語力、マネジメント経験 | 仕事内容の欄から、実際にどの場面で必要かを読み取る |
資格や学位の名称を英語でどう書くかは、学位・資格の英語表記一覧で確認できます。
判断の手順は3ステップです。
- JDの要件を1行ずつ書き出します。
- 要件ごとに、自分の実績で裏付けられるかを「十分/一部/不足」で判定します。根拠が言えない項目は「不足」とします。
- 資格・就労資格・勤務地など、求人票に必須と明記された条件に「不足」がある場合は、応募前に確認できないかを検討し、確認できなければ見送りも検討します。相対的な要件だけが「一部」の場合は、代わりに示せる経験があれば応募を検討します。
経歴を盛らずに書く:JDに合わせた英文Resumeの書き方
英文Resumeでは、JDに関連する実績を優先して配置します。経歴を変えるのではなく、選ぶ事実と順番を変えるのが基本です。英語履歴書の書き方ガイドに基本の形式がまとまっています。EigoHeroのように、JDと自分の経歴を突き合わせて一つの求人向けに作るサービスもあります。使う場合も、書くのは本人の事実だけです。
必須要件が一部未達のときの書き方(例)
(前提:Salesforceの使用経験はない。ただし国内製品のCRMで3年間、商談管理を行い、週次の予測レポートを営業部長に提出していた場合)
JDの要件は「Experience using a CRM (e.g., Salesforce)」です。
例(Before) Used a CRM for customer management.
例(After) Managed sales opportunities in a CRM and submitted weekly forecast reports to sales leadership.
Afterは、前提に書いた事実をそのまま言い直しただけで、新しい数字や成果は足していません。Salesforceの経験があるように見せる書き方もしていません。営業部長の正式な英語の役職名が分かる場合は、それに合わせて書き換えてください。カバーレターでは、未経験の点を隠さずに、近い経験に結びつけます。
例 I have not yet used Salesforce professionally. For three years, however, I used another CRM to manage sales opportunities and submitted weekly forecast reports to sales leadership, and I can apply this experience while learning Salesforce.
ここでは短期間で習得できるとは約束せず、転用できる経験を事実として示しています。CRMの利用とレポートの提出は、別々の行動として書いています。学習を始めていない段階で「学習中です」と書くのは避けてください。
歓迎要件を持っているときの置き場所(例)
(前提:B2B営業3年、CRMでの商談管理、週次の予測レポートの提出、シンガポール拠点の同僚と英語で月次の営業報告を調整した経験がある場合。JDの歓迎要件は「Experience working with overseas teams」)
- Professional Summary:冒頭で、JDと重なる強みを先に見せます。
例 Sales professional with three years of B2B sales experience, including managing sales opportunities in a CRM and coordinating monthly sales reporting in English with colleagues in the Singapore office.
- Core Competencies(スキル欄):短い語句で並べます。
例 Sales Pipeline Management (CRM) | Forecast Reporting | Cross-border Collaboration
- Experienceの箇条書き:Summaryに書いた内容の裏付けを、具体的な行動として書きます。
例 Coordinated monthly sales reporting in English with colleagues in the Singapore office.
箇条書きの動詞選びにはアクション動詞一覧が使えます。
盛ると、面接で崩れます
未達の要件を満たしているように書くと、面接で具体的な場面を聞かれたときに説明できなくなります。書類の信頼性そのものも損なわれます。不足を補う関連経験(Transferable skills)は、「何をしたか」を自分の言葉で説明できる範囲だけを書いてください。面接での聞かれ方と答え方は、英語面接でよく聞かれる質問と答えが参考になります。
応募前チェックリスト
- JDの要件をすべて書き出し、Required と Preferred に分けたか。
- 資格・就労資格・勤務地など、求人票に必須と明記された条件に不足はないか。不明な点は確認したか。
- 未達の要件それぞれに、事実に基づく代替の経験を1つ以上説明できるか。
- 持っている歓迎要件を、Summary・スキル欄・箇条書きのいずれかに書いたか。
- 書いた内容は、すべて面接で具体的に説明できるか。


